健康で悩める方々へ

2000年の春から20年以上、脳や脊髄の病気、難病、骨折、精神の病気、発達障害の方々のリハビリを病院・クリニック・在宅といった、いろんな環境で行ってきました。
基本的に骨折の患者さんは元気に退院される方が大半です。しかしそれ以外の方は、病気によっては障害を持ったまま退院され、日常生活を送られる方が多くおられました。
西洋医学では『治せる病気または状態』と『治せない病気または状態』が比較的はっきりしていると思います。
『治せる』ものの代表的なものは骨折などの『手術ができる病気』。
『治せない』ものの代表的なものは難病や生活習慣病（糖尿病や高血圧など）などの『手術ができない病気』。
リハビリでは『治せる』病気、『治せない』病気の両方の方々を診ます。
しかし、関わり方が少し違う。
全ての方と言う訳ではありませんが、『治せる』病気の方はより早く元の生活に戻れる様に関わります。『治せない』病気の方は治っていない状態でどんな手段や環境を整えれば退院できるか。といった具合です。
『治せない』病気に関しては、
【とは言ってもどうにか治す方法はないだろうか？】
といった事を検討されることは、残念ながら基本的にはありません。
その背景には『現在の医学で治せないものは治らない』という教育を、学生時代にも医療現場に出てからも教えられるから。あとは日本の医療システムがそうなっているから。といったところでしょうか。
私も医療現場で働いていた頃は、それが正しいと思っていました。
 
しかし、どんどん医療制度が改定されていく中で『まだ出来る事があるのに制度のせいで患者さんが悪くなっていく』という現実を見る様になり、『患者さんを良くするためには制度の中で動いていては限界がある』と思う様になりました。
自費にはなってしまうけれども医療制度の外側に出て患者さんを治療しよう。
そう思う様になりました。
 
それからは東洋医学や心理療法など、いろんな物を取り入れる様になりました。
そんな中、師である池内秀暢先生が考案された【生体自然療法】に出会いました。
一つの見方に拘らず、多角的に『人間』を捉え、心・体・氣の状態を施術・食事・運動などで整える事で、現代医学では治療が難しい難病やアレルギー疾患、末期ガンなどの方も完治させておられました。
これならば今まで『治せない』病気とされていたものも治すことが出来る。
そう思い、師の元で知識と技術を学んでいます。
 
そんな中、僕の父もガンを発症しました。ガンの場所があまり良くなく、手術ができない状態でした。抗がん剤治療を行いましたが結果は良くない状態でした。そこで父が選んだ道は『西洋医学での治療をやめて、私の自然療法だけで治療をする』という事でした。
私にとっては初めての末期ガン患者。師に相談し、アドバイスを受けながら私自身の手で父の治療を行いました。腫瘍マーカーは若干減少、ガンの動きも停滞し、いい流れになっていました。そんな時、原因がわからない嘔吐が続き、食べ物が流れる様にとステント置換術を受けることになりました。
しかし状態はあまり変わらず、手術の影響でガンが肝臓などに散ってしまいました。
その後も施術でガンの活発な動きは抑えられてはいました。そんな中、胃に僅かではありますが原因不明の出血があり入院、1週間程度で退院する予定でしたが、入院翌朝に胃の中にかなりの出血が起こり意識低下。父はそのまま死去していまいました。
 
私が個人的に感じることは、人はいろんな異なる臓器が連動しているという事。また、体だけでなく、心や生命エネルギーもあるからこそ生きているという事。決して物質だけの『体』をどうにかするだけで、元気になるわけではない。目に見えるものも、目に見えないものも、全てがあって、はじめて生きることが出来るという事です。
 
生前、父も指圧師として多くの人のために働いていました。
父は私に自分の命を託し、私の成長を望んでくれました。
 
この想いに応えるためにも、私は、ガンをはじめとする治りにくいとされている病気で苦しんでおられる方々の光になるために、自分の命の時間を費やす。
 
そういった気持ちで、日々、治療に取り組んでいます。